東京銀器

東京銀器について

「東京銀器」は主に東京都で作られている金属工芸品で、1979年、国の伝統的工芸品に指定されました。伝統的に使用されてきた原材料は銀で、地金の銀には純度92.5%以上のものを用います。

東京銀器の歴史をひも解くと、その始まりは江戸時代中期にみられます。銀師(しろがねし)とよばれる銀器職人や、櫛、かんざし、神興(みこし)金具等を作る金工師とよばれる飾り職人が登場し、町人の間でも銀器や銀道具が広く親しまれていました。
東京銀器の技術技法は鍛金師、彫金師、仕上師とよばれる職人たちによって受け継がれています。製造工程のほとんどは職人の手作業で行われ、「鍛金」、「彫金」、「切り嵌め(きりばめ)」、「鑞付け(ろうづけ)」の技法を駆使して、さまざまな製品を製造しています。

東京銀器ができるまで

材料の溶解圧延

吹き(ふき)

インゴットを炉で溶解し、のし餅状の大きな板を作ります

延べ(のべ)

吹いてできあがった金属板を、ロールで薄く延ばします

(例)写真立て用の銀板 → 0.5㎜厚
ぐいのみ用の銀板 → 1㎜厚
おりん(仏鈴)用の銀板 → 3㎜厚

地金取り(じがねどり)

作成する製品の大きさに合わせて金切りバサミで板を切ります。

商品の製造

鍛金(たんきん)

鍛金とは金属工芸技法のひとつで、一枚の金属板を叩いて加工する技法です。
この技法を用いて、一枚の金属板からさまざまな立体造形を作ることができます。

絞り(しぼり)

絞りとは鍛金の技法のひとつで、当金(あてがね)を用いて木槌・金鎚で一枚の金属板を叩き、皿状に湾曲させ、さらに立体に成形していく技法です。
金属の展延性を利用することで、2次元の金属板を3次元の立体に成形することができます。

彫金(ちょうきん)

彫金とは、鋳金や鍛金でできた器の表面に鏨(たがね)で文様をほどこす加飾の技法です。
鏨の形状と彫り方の違いにより、彫り・打出し・象嵌などがあります。

鋳金(ちゅうきん)

鋳金とは石膏や粘土、木の原型から「鋳型」を作り、溶解した金属を流し込み、成形する技法。

商品の仕上

磨き仕上

研磨により光沢を出した仕上げ方法。

古美仕上

銀製品の変色を防ぐために、真新しい銀製品の表面に古色を付ける仕上げ方法。

彩金

金・銀・銅・黒ニッケルなどの合金を用いて加色をほどこす仕上げ方法。

加飾

文様打ち用の金槌で叩いて、銀製品の表面に文様を打ち込みます。代表的な文様は以下の3つです。

茣蓙目(ゴザメ)

畳の目を模した文様

槌目(ツチメ)

金鎚で叩いた跡を残した文様

岩石(ガンセキ)

岩の表面ゴツゴツした様子を模した文様

「森ノ茶会」シリーズ




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